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モスクワの冬の平均気温が平年を6.3度上回る観測史上最高を記録
モスクワは観測史上初めて冬(12月から2月)の平均気温が氷点下(0度)を上回り、平年よりも6.3度も高い記録的な暖かさになりました。この信じられない暖かさはモスクワだけにとどまらず、ユーラシア大陸のそこかしこで異常に暖かくて雪の少ない冬になったようです。
なんだかもう「観測史上もっとも暑い・暖かい」という言葉をしょっちゅう見聞きする時代になりましたが、今回のモスクワの記録は超ビックリするレベルです。Meteo Franceの気象学者で気温データに詳しいEtienne Kapikian氏によると、これまで最も暖かかったのは1961年で、平均気温は平年を3度上回っていたそうです。
つまり、今回はその記録よりも3度以上高かったことになります。記録が残っている140年の中で断トツだったのはいうまでもありません。
雪は完全にどこかにいっちゃったらしく、大晦日のお祝いのためにトラック数台分の雪を運ばなきゃいけないことになってしまったのだとか。まるで札幌の雪まつりみたいですね。
ABCの報道によると、モスクワ気象庁の主任専門家であるTatiana Pozdnyakova氏は、国営のニュースメディアRIA Novostiにこう述べています。
こんなの冬とは呼べません。なぜなら、冬の間、気温はほとんどすべてが0度以上か、それよりもちょっと低い日ばかりだったからです。冬が始まったのか、それとも秋から春へと一気にジャンプしたのかわからないくらいです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200312-00000004-giz-sctch
ハリウッドの有名スターも続々発信。ヴィーガニズムが環境保全にもたらす可能性
2017年6月1日、アメリカのトランプ大統領は、地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定から離脱すると発表した。この気候変動(Climatic Variation)に関する政策転換は、全世界に衝撃を与えた。
それから2年余りたち、これに反発するかのように、いまアメリカ国内では気候変動の問題を深刻に受け止め、いろいろな活動が起こっている。民間レベルからハリウッドスターを始めとする著名人まで、それぞれの立場から気候変動について世の中へ発信している。
ヴィーガンと気候変動の意外な関連
私自身、気候変動がどんなに大きな問題なのかと興味を持ち始めたのは、2年ほど前のことだ。ヴィーガンに関する情報を入手していたら、付随して気候変動の問題も入ってきたのだ。
では、ヴィーガンと気候変動の間にどんな関連があるのか。それにはまず、家畜の飼育が与える、次のような地球環境への影響が挙げられる。
1. 2018年の「Science」誌によると、世界全体で家畜の飼育のために使用されている土地の面積は、全体の83%に上るといわれている。2050年までに、世界人口は約100億人に達する見込みで、このすべての人口を養うだけの家畜を飼育できる土地は、その時点では残っていないという。
2. 家畜の飼育で使用される水の使用量は、例えば、牛肉1kgを生産するのに約1300リットルの水が必要と言われている。また、家畜の飼料となるトウモロコシ1kgの生産に必要な水の量は約500リットル。これらから派生する水質汚染が地球環境への問題となる。飼料用作物に含まれる抗生物質、ホルモン剤、肥料などが生活用水に流れ込み、環境破壊につながっていくからだ。
3. 家畜放牧のために森林伐採が実行されることで、温室効果ガスの吸収を助けるはずの森林が破壊され、有毒物質が大気中に膨れ上がり、気候変動の原因となる。
4. 家畜飼育により発生するメタンガス(牛や豚などが消化、代謝する過程で発するもの)や、家畜運搬により発生する二酸化炭素(石油やガソリン車から排出される)は、温室効果ガス排気量の大半を占めると言われ、気候変動をもたらす。
このように、家畜の飼育が、今後、地球環境や気候変動に重大な影響をもたらすとされている。その状況下で、肉や魚だけでなく、卵や乳製品まで口にしないという完全菜食主義のヴィーガンは、環境破壊や気候変動からこの地球を守るという意味で、新たな価値を提供するのではないかと思われる。これがヴィーガンについて情報を集めているうちに、私が行き当たった気候変動との関連だ。
ハリウッドスターたちの積極的活動
私が住むロサンゼルスのニュース番組を見ていると、エンターテインメントのニュースとは別枠で、地球環境や気候変動についての活動を積極的に行っているハリウッドスターたちが紹介されているのを日々耳にし、目にすることが多い。これらの問題に向き合う著名人たちの活動を、いくつか紹介しよう。
ホアキン・フェニックス
主演した映画「ジョーカー」が当たり役となり、2020年の映画批評家協会賞、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞すべてにおいて、主演男優賞を受賞したが、本人は完全菜食主義者で、今年の映画賞すべてにおいて、受賞後のディナーでは、ヴィーガンメニューのみが提供されたとのこと。
動物愛護の活動にも積極的に参加、アカデミー賞の授賞式のスピーチでも、地球環境へ意識を向けることの重要性を訴えていた。
レオナルド・ディカブリオ
実は熱心な環境活動家。2016年には、数名の監督とともに、環境破壊に関するドキュメンタリー映画をプロデュース、本人自ら出演もした。当時のオバマ大統領、テスラ創業者のイーロン・マスク、ローマ法王など、環境活動に積極的な著名人とのインタビューも話題となる。
1998年に設立した「レオナルド・ディカプリオ財団」では、絶滅危惧種の保護活動とともに、気候変動の活動にも積極的に取り組んでいる。2015年、世界中の環境保護団体に総額1500万ドルを寄付することを発表した。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200315-00032952-forbes-n_ame
ハリウッドスターたちが好む 環境に優しいクルマ
2003年、ハリウッドに新しい風が吹いた。アカデミー賞の授賞式の送迎車として、多くのスターがトヨタのプリウスを使うようになったのだ。
それまでは豪華なリムジンをはじめ、ヨーロッパやアメリカの高級車を使っていたが、彼らもやはり環境にやさしいイメージが欲しいのか、ハイブリッド車で授賞式のクルマ寄せに乗りつけた。
アカデミー賞最優秀男優賞を2度受賞したトム・ハンクス、「プリティ・ウーマン」で一躍有名になったジュリア・ロバーツ、「タイタニック」のレオナルド・ディカプリオ、「メリーに首ったけ」のキャメロン・ディアス、「ララ・ランド」のライアン・ゴズリング、「スパイダーマン3」のカースティン・ダンストなどは、授賞式に乗り付けただけではなく、みな実際にプリウスを所有している。
特にトム・ハンクスは、トヨタのクリーンなイメージを好むようだ。彼は世界初の市販ハイブリッドであるプリウスと、テスラ製のEVパワートレーンを搭載するトヨタRAV4を所有している。テスラといえば、「ジェイソン・ボーン」主演のマット・デイモンがテスラ・ロードスターに乗っている。
でも、プリウスとは正反対のクルマに乗っているスターもいる。ターミネーター・シリーズでお馴染みのアーノルド・シュワツェネッガーは大のハマー好き。四角い軍事的な形をしたどデカいSUVだ 。
彼が生まれ育ったハンガリーでは、第二次世界大戦の直後に英国軍の戦車と大型トラックが多く走っていて、それらを見て育ったシュワちゃんは、18歳になると「こんな大型車のドライバーになりたい」と思うようになったという。だから、アメリカで有名になった時、ハマーのような大型車に夢中になった。「ハマーとかユニモグとかが最高ですよ」と彼は言う。
ハマーが1992年に登場した時、シュワちゃんはすぐさま購入し、ハマーの代表的なオーナーになった。でも、2003年から8年間カリフォルニア州の州知事を務めて環境に関心を持ったせいか、彼のハマーの一台は、ガソリンではなくEV仕様になっている。また、所有するもう一台のメルセデスベンツ・Gワーゲンも、なんと電気バージョン。ずっと共和党を支持してきたマッチョなシュワちゃんも、年をとれば、環境のことを大切にしようと思うわけだ。
そう、クルマにはそれに乗る人のパーソナリティを語るという役割がある。「まさにぴったり!」というオーナーとクルマの組み合わせがあれば、意外なコンビネーションもある。
実は、元ジェームズ・ボンド役のピアース・ブロスナンは、BMWのi8スーパーカーに乗っている。シャーリーズ・セロンは、レンジローバーに乗っていて、ビヨンセは、メルセデスSLRマクラーレン、メルセデスベンツSクラス、ロールスロイス・シルバークラウドIIを所有している。
トム・クルーズは、ポルシェ911と最高速度410km/hが出るブガッティ・ヴェイロンを、ジェニファー・ロペスはアストン・マーティンDB7を持っているそうだ。彼らがクルマをドライブしている姿を想像すると、それぞれのイメージや姿勢がよりはっきりと見えてくる。
トランプ政権がパリ協定から離脱し、オバマ元大統領が働きかけた厳しい排気ガス規則を緩めても、トム・ハンクスやディカプリオなど「意識が高い」系のスター、そしてシュワちゃんのようなマッチョな俳優も、アメリカが進むべき「地球温暖化」を食い止めるための一助となろうとするステイトメント(意思表明)を自分の車に込めているようだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191107-00030607-forbes-int