火星移住計画に進展があった。NASAが、大型宇宙ロケットSpace Launch System(SLS)の打ち上げ体制を2019年内に整えると発表しました。オランダの非営利団体 Mars One は、2023年に火星への移住を希望する人の募集を正式に開始している。この移住計画は火星に到着したら、地球に帰る計画はない。
NASAが、大型宇宙ロケットSpace Launch System(SLS)の打ち上げ体制を2019年内に整えると発表しました。プロジェクト管理者のロバート・ライトフット氏は「設計製造上の問題によって2020年半ばに見直される可能性はあるものの、2019年12月までにすべての準備を終えたい」としています。ライトフット氏はさらに「すでに開発上のカギとなる問題のうちいくつかは回避できたため、2019年12月の目標達成に向けて少しペース配分を考えるだけの余裕ができている」 と続けます。
現時点で提案されているSLSの打ち上げ計画は、まず無人の探査ミッション1(EM-1)を行い、2023年に初の有人ミッション(EM-2)が予定されます。しかし、EM-1ミッションの時期が後ろにずれる一方で、EM-2のスケジュールは予定どおりに据え置く予定。そのため、オリオン宇宙船の緊急打ち上げ脱出システムの試験をEM-1より先に前倒して実行することで、計画の全行程を遂行するとしました。
NASAはSLSによって、史上初となる有人での深宇宙飛行実現を目標としています。そしてスケジュールの遅れは、NASAに急速に追いつきつつあるSpaceXに”初”の偉業をさらわれる可能性を高くします。ただ、EM-1のスケジュールに遅れが予想されたことで、逆にNASAの技術者たちは計画に集中し、予定どおりの計画遂行さえも実現しようとしています。
火星移住計画は進展している
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人類が火星移住する日はそう遠くない。国際宇宙ステーションに荷物を運ぶ宇宙船を開発した初の民間企業SpaceX社のイーロン・マスクCEOは、火星に80,000人のコロニーを建造するという構想を明らかにしている。
マスク氏の火星構想は数十年以内に10人のクルーでインフラの建設を始め、小さな都市ほどの規模があるコロニーを作るというものだ。
最初の飛行は巨額の費用がかかるうえに危険を伴うが、「いったん火星への定期便ができれば、火星への移動は50万ドルほどにまでコストダウンすることができる」と、マスク氏はSpace.comに語っている。
マスク氏は、将来は第3セクターとして、およそ360億ドルで80,000人のコロニーが建設できると付け加えた。
WIRED誌のクリス・アンダーソン編集長は11月号でマスク氏のインタヴューを行っている。一部分を紹介しよう。
マスク:1989年に、火星への有人飛行は5,000億ドルがかかるという計算が行われました。多額の予算を費やすと政治家たちが攻撃されるため、火星への計画は頓挫しました。……しかし米国は開拓者の国です。米国は、人類の探求心を蒸留して抽出したような国なのです。
アンダーソン:この国のわれわれはみな、未知に飛び込む形でやって来たのですからね。
マスク:だからわたしは、クレイジーなアイデアで全国的な意志をかきたてることを始めました。わたしはそれを「火星オアシス・ミッション」と呼びました。
アイデアは、小さな温室を火星の表面に送り出すというものです。その温室には脱水した栄養ゲルが入っており、着陸後に水和される可能性があります。最終的には赤い背景に緑色植物が育つようになるかもしれません。わたしが知る限り火星で最初の生命であり、また最も遠くに移動した生命になります。
インパクトのあるプロジェクトになりますし、加えて、火星で小さな温室を維持して植物を生かしておくのに必要な要素に関する、大量の技術データを得ることができます。もし、その資金力がわたしにあるのならば、価値のあるお金の使い方だとわたしは考えました。たとえ金銭的な見返りが期待できなくても。
火星への移住計画は火星に到着したら、地球に帰る計画ではない。 人類史上初の月面着陸は、アメリカ合衆国のアポロ11号計画における船長ニール・アームストロングと月着陸船操縦士エドウィン・オルドリンによるもので、1969年7月20日に実現した。
地球人が火星に移住する日は遠くない。